コンクリートの表情② 杉板化粧型枠打放し仕上
設計部の上本です。
3月の続きで、コンクリートの杉板化粧型枠打放し仕上げについてお伝えします。
前回の記事はこちらをご覧ください→「コンクリートの表情①はつり仕上げ」
MOLSのコンクリート住宅では、外壁の仕上げとして石張り、タイル、塗り壁等もお選びいただけますが、コンクリートを活かした仕上げが最もご好評頂いており、施工例も最多となっております。
コンクリートを活かした仕上げは、主に4種類あります。
・コンクリート打放し仕上げ(打放し補修+コンクリート素地色に合わせた塗装)
・カラー塗装仕上げ(打放し補修+白や黒などアクセントになる色で塗装)
・コンクリート打放しはつり仕上げ
・コンクリート杉板化粧型枠打放し仕上げ →以下杉板打放し仕上げと略します
杉板打放し仕上げは、コンクリートを打設する際に用いる型枠に型枠専用パネルではなく、杉の板を用いることで生まれる表面仕上げです。
無機質なコンクリートの表面に、ランダムで自然な杉板の木目が浮き上がることで、荒々しさやかっこよさが生まれ、コンクリートがお好きな方に人気があります。
モデルハウスMOLS平成では、外壁だけでなく内壁にも使用しており、内部空間の力強さ、骨太さを醸し出すのに大きな役割を果たしていると感じます。
アイアンのアート(IRONS design japanさん作品)+杉板の壁
Cassina家具+杉板の壁
何を組み合わせても様になり、素敵な空間になります。
そんな魅力的な杉板打放し仕上げですが、出来栄えについては紆余曲折、これまで弊社でもさまざまな試行錯誤を行ってきました。
こちらのお住まいは2022年竣工、モデルハウスMOLS平成は2015年竣工です。
光の加減もありますが、弊社の7年間の努力の成果が見えているかと思います。
杉板型枠仕上げを好まれる方の多くは、杉板模様がくっきり強く出ることを好まれます。
杉板模様の出方は、使用する杉板の材料や表面仕上げはもちろんのこと、コンクリート打設前後の気温、湿度にも影響を受けるため、非常に繊細な現場管理が必要とされます。
毎回、経験による様々な工夫と、細心の注意を払って打設を行いますが、上記のお住まいの壁の下部のように、一部模様が薄くなってしまうことがあります。
また、杉板の使用により、普通の打放し仕上げでは出ない茶系の色ムラが出ることも多いです。
こうした杉板型枠仕上げの欠点を補修で補うことは可能ですが、そうすると打放しの荒々しさや自然さは失われてしまいます。
杉板化粧型枠打放し仕上げをご提案する際は、その魅力だけでなく、上記のような欠点もご説明し、ご納得をいただいた上でご採用いただくように心がけております。
コンクリートの表情シリーズ、いかがでしたでしょうか。
MOLSの建物の魅力=“コンクリートがかっこいい”ことに尽きます。
このポテンシャルをどう生かして、住まいづくりを行っていくか…いつも考えております。