「孤風院のこれからについて考える」見学会
設計部の上本です。
今秋、熊本大学建築学科の先生方からご案内をいただいて、「孤風院のこれからについて考える」というイベントに参加させていただきました。
孤風院とは、1908年に建てられた熊本高等工業学校(現熊本大学工学部)の講堂が、1974年、建設からの経年と激化する学生活動への懸念を理由に取り壊し決定されたことを受け、当時熊本大学の助教授であった建築家の木島安史(1937-1992年)により1975年に住宅兼アトリエとして阿蘇に移築・改修された木造建築である。
(「孤風院のこれからについて考える」見学会案内より抜粋)

1990年頃の話ですが、高校生だった私が熊本大学建築学科をめざしていた時、偶然テレビで、木島先生のご活躍にスポットを当てたドキュメンタリー番組の放映を拝見しました。
その時、インタビューを受けておられた場所がまさに孤風院で、熊大建築学科の先生ということで憧れを持って画面に見入っていたと思います。
阿蘇の山並みと孤風院の落ち着いた佇まい、そこに重なる木島先生のフルートの音色。
まだ建築のことを何も知らない子どもでしたが、印象的なシーンでした。
その後私は熊本大学に進学しましたが、残念なことに木島先生は熊本から転勤された後で、お会いする機会は得られませんでした。
この日、初めて訪れた孤風院は、開け放した窓を阿蘇の爽やかな風が吹き抜けていてとても気持ちのよい場所でした。
講堂のクラッシックかつ強く大らかな空間に住居の生活空間が混在し、不思議な魅力が生まれています。
木島先生が他界されて今年で33年。
孤風院の文化的継承について考えてみるというのが、今回の見学会の主旨であり、これまで孤風院の会や熊大の学生さんらが関わり、改修や補修、ワークショップやコンペなどの様々な取り組みがなされてきたお話を聞きました。
孤風院のこれから…冨坂建設の設計部でも、勉強会で意見出しを行う予定です。
阿蘇の自然の中で、住宅について、建築について考え続けた木島先生の遺志をつなぎ、今後また孤風院に新しい風が吹き込んでいくことをとても楽しみに思います。
